サムライスピリッツ閃   公式サイト  アマゾン

レビュー日:2010年11月14日
プレイ時間:アーケード含めると50〜100時間くらい
グラフィック:★★☆
5.1ch対応度:未レビュー
Live:数百試合
総評:★★★☆

■とりあえずゲーセン稼動時に書いたレビューを。(2008年12月頃?)
 ゲーム内容としてはおおよそこんな感じ。
●サムライスピリッツ閃
メーカー:SNKプレイモア
零、零SP、剣とそこそこの人気を得ていたプレイモア2Dサムライスピリッツシリーズ。
その後突如の3D化を発表し、(過去の3Dの微妙っぷりから)色々と懸念されていたのですがついに2008年、アーケードにて稼動しました。
世界観では旧作キャラの大幅リストラ、どう見ても捻りのない新キャラ達、架空国レスフィーア王国(笑)、など旧作のファンを突き放し、
ゲーム性では2Dユーザーを敬遠させ、そして3Dユーザーにもとっつき辛い微妙な操作感と地味なグラフィックで出た時点で流行る要素が無い不遇な作品でした。

多くの人が閃サムを「劣化キャリバー」と呼びますが、これはある意味正解だといえます。
操作性は細かな違いこそあれど基本的にはソウルキャリバーシリーズとかなり似ていてやはりキャリバーをかなり意識していたのだと思います。
しかしコマンド入力に独自のクセがあり、プレイするに至ったプレイヤーでも技が出ない、と投げてしまった人が少なくないような。
グラフィックこそ新基盤の性能で有る程度は見れるレベルですが全体的に画面が暗く地味で性能を殺してしまった感もあり。
そもそも稼動当時既に鉄拳6やバーチャファイター5が稼動していたのもあって美麗なグラフィック、というのはウリとしてはかなり弱かったってのも…

しかしそんな見た目も取っ付きの良さもイマイチな今作ですが、閃サムの閃サムたる個性はそれなりに持っているのです。
一つは2種類の大斬り。横大斬り、縦大斬りの大斬りは共に威力が高く、軸移動には横大斬りを、迂闊な相手には必殺の縦大斬りを、
と3Dでありながらも本来のサムスピが持っていた一撃必殺の爽快感を色濃く残しています。
また3Dゲームにしては(コマンド入力のクセ以外)敷居が低いのも魅力で基本的な立ち回りを覚えるのが非常に楽です。
空中コンボゲーと一部からは言われる今作ですが、コンボも基本的に1種類しか使わないので覚えてしまえば特に難しいことが無く。
キャラ数もそこまで多くないので記憶ゲー要素が薄く、だれでもすぐにジリジリとした読みあいが楽しめるゲームとなっています。
有る程度慣れれば零SPっぽい立ちまわりも可能に。(と個人的には思ってる)
またサムスピにしては珍しくキャラバランスが崩壊していないのもいい所。
ナコルルや覇王丸、ヴァルターなど強キャラは居ますがまだ何とかなるレベル。

で、個人的には閃サムは「劣化キャリバー」ではなくキャリバーを濃縮して簡単にした、って感じかなー、とか思ってます。
(※参考までに、自分はキャリバー4を2000試合、閃サムは稼動後から数百試合はプレイしています)
技数 キャリバー>閃
キャラ数 キャリバー>閃
難易度 キャリバー>閃
コンボ比重 キャリバー=閃(共にキャラによる部分が大きい)
一撃の威力 閃>キャリバー
行動のリスク 閃>キャリバー
起き上がりの複雑さ キャリバー>閃
軸移動の有効性 キャリバー>閃
ガードの強さ 閃>キャリバー
投げの重要性 キャリバー>閃(閃は投げ1種類かつ抜けも1種類)

技数、キャラ数は言わずもがな。
操作難易度は圧倒的に閃が簡単です。
キャリバーは通常のボタン操作に加え、スライド入力や同時押しが多いですが閃は同時押しが大斬りに固定されているので分かりやすいです。
立ち回りでのコンボの比重は大体同じくらい。閃は抜けられないものの威力が低く意外とコンボ弱いイメージ(ナコルル除く)。
一撃の威力では閃が上なのでキャリバーよりも距離の取り合いや隙の突き合いは熱いかも。ミスると大斬り飛んでくるので。
またキャリバーのインパクトに似た弾きシステムがありますが、こちらは弾けば浮かし確定だったり大斬り確定だったりとハイリターン。
起き上がりはキャリバーと似たようなシステムですがキャリバーほどダウン中に攻撃が当たらないのでハメ殺しづらいはず。
軸移動はWAY-RUNを搭載し自由に動けるキャリバーと比べ閃は前後移動がメインかつ横大斬りの存在があり軸移動の比率は少なめ。
ただ、キャリバー4よりは縦斬りを回避しやすいので完全に死んでいるわけではありません。鉄拳やバーチャに近いかも?
閃はガードが崩しづらいです。投げ抜けがワンパターンなのも大きい。キャリバーよりは待ちが強いかも。

そんな感じでキャリバーとは似ていながらも、独自の雰囲気を持ったサムスピらしいサムスピであると思うのです。
現在は物凄く過疎ってる上に稼動しているゲーセンも少なくてプレイする事自体が困難ですが…
(過疎ったのは剣サムにプレイヤーがいる時期にリリースしながら、剣サムと設置ゲーセンが完膚なきまでに被らなかったのも原因の一つだと思う…)
巷ではクソゲーだの空気ゲーだの言われてますが対戦してみればこれがなかなかジリジリとしたサムライで楽しめます。
不満な部分や荒削りな部分も数多く存在しますが、それだけでクソゲーと捨ててしまうのは勿体無い作品だと思います。
是非とも家庭用を出して対戦の面白さを広く知ってもらいたいソフトです。出ればいいな…

■以下360版レビュー
上のアケ版レビューでも書いたとおり、割と最初っから恵まれていたとは言いづらい作品だった閃サムの家庭用移植。
まずは出たことを喜びたい一本。
家庭用の要素としては
・ボスキャラが使える
・プラクティスがある
・当たり前ながらLiveでの対戦
あたり。
移植度については特に遜色の無いレベル。ロード時間はインストール済みならアーケードより速い。
XboxLiveでの回線状況についてはかなり良好で、国内相手ならゲーセンと全く同じ感覚でプレイ出来ます。

と、肝心な部分は問題のない良移植作ではありますが、悪く言えばゲーセン版の悪いところそのまんまなのがとても残念。
アケ版レビューでも書きましたが、意外にも良質な対戦ツールなのですが、例えば最近の家庭用移植ではお約束な家庭用専用モードとか、
3D格ゲーの華であるキャラクターのカスタマイズ要素だとか、そういったものは無く。ゲーセン版と同じくキャラカラー2色のいつの時代だ状態。
アーケード版の稼動当初の2008年ならともかく、移植版発売時(2009年12月)にはすでにバーチャ5・鉄拳6・キャリバー4、2Dも加えたらスト4やブレイブルー等が出揃っており、
従来のファンや格ゲーマニア以外にはほぼ目を引く要素が無かったのが残念でした。
せめてアケ版とほぼ同時移植であれば、キャリバー4より先だったのですが、キャリバー4から1年半後だと…

最も残念だったのはXboxLiveでの対戦がランクマッチはともかく、プレイヤーマッチすら観戦の出来ない2人部屋専用だったこと。
ランクマッチがラグくてクソゲー状態だったキャリバー4がアレだけ盛り上がったのは間違いなく4人部屋の存在のお陰だったと思ってますが、閃サムもせめて4人部屋があれば…
2人部屋だと「分かってる人」同士ならともかく、そうでない人が人のプレイを見ながら色々覚えたりするには不向きなのでマイナーゲーは過疎りやすくなりがち。
(ついでに、ランクマッチがゲーセンで主流の3本先取りではなく2本先取りなのも合わないと思う)

その他対戦以外の要素だと
・ガチャプレイほど勝てる謎のアルゴリズムだったCPUはやや改善され、最高難易度だと鉄壁に。面白いかと言われるとやっぱり面白く有りません。
・プラクティスは搭載…しているものの、ダメージ数値が出なかったり、受身の細かい設定がなかったり、コンボ表示が無かったりと一昔前の格ゲレベル。
・各キャラのストーリーはOP・EDが字だけですがそれなりのクオリティ。
・一部で話題になったゴア描写は「海外版360本体で起動した場合」のみ、切断・流血等アリらしい。日本の本体ではどうあがいても出ない。
・ゲーセン版と同じく謎の軸ズレや存在しないゴア前提の不自然な倒れ方等あり。
・BGM等もアケ版を踏襲していますが、結構クオリティが高く、キャラ音声も既存キャラは従来の声優起用で安心。
・実績は無理な難易度ではないものの、作業度高め。

あらゆる意味で「惜しい」ゲーム。
ただ、SNKプレイモアにはこれに懲りずに過去の作品をバシバシHD機でオンライン搭載して発売して欲しいものです。というか零SPと剣サムを…

ちなみに今から始めることを考えられてる方は閃サムめもを参考に。
あと一応自家製攻略も無くはないです(何



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