NINJA BLADE ニンジャブレイド 公式サイト アマゾン
レビュー日:2009年1月31日
プレイ時間:10時間
クリア:済
グラフィック:★★★
5.1ch対応度:★★★★
Live:ランキング(ただしバグあり)・DLC(これを書いている時点では未配信)
総評:★★★

御伽シリーズやメタルウルフカオスなどの個性的なアクションゲームを生み出してきたフロムソフトの竹内プロデューサーが送る、シネマティックアクションゲーム。
メタルウルフ風味の頭の悪い(褒め言葉)演出や御伽から引っ張ってきたような豪快なアクションがウリ。
ゲームはいくつかのパートの繰り返しで進行。メインは3Dアクションですがそれ以外の比率が高いのが今作の特徴。
挙げていくと
・アクションパート
メイン。3種類の武器と数種類の忍術、ニンジャっぽい移動手段やスローモーション機能を持つ「ニンジャビジョン」等を使いこなして敵を倒しながら進む。
・QTEパート
イベントシーンで画面に表示される指示に従いボタンを押したり連射したりするとイベントが進んでいく。タイミング命。
・急降下パート
ビル等から落下しながら戦うパート
・シューティングパート
固定銃座を使い移動する乗り物を守りながら敵を倒していく。

といった感じ。
ガチガチのアクション、というよりは公式ページで宣伝されてるような、アクション映画を見ているような感じを楽しむアクションゲームとなってます。
難易度は普通。ヌルくもなく、理不尽な難しさでもなく。
過去のステージを再チャレンジして経験値を稼いだり、回復薬をストックすることが可能なのでアクションが苦手でも繰り返しプレイすればなんとかなるレベル?

〜〜ここまでゲーム紹介〜〜

〜〜ここからグダグダのレビュー〜〜
(※自分は御伽シリーズ2作、メタルウルフカオス、ついでにニンジャガイデン(1&2)どれもクリア済みです。)

まずこのゲームのメインはムービー(イベント)シーン。この部分のデキは非常に良いです。
スピーディーな展開、派手な演出、奇想天外なアクションと見ているものを飽きさせません。
所々入るパロディっぽいシーンもニヤニヤさせてくれます。(有名なのはイチローとか)
本作は音声が日本語と英語併用なのも斬新。面白い設定だと思います。

グラフィックはGoWとかCoDとか海外産の凄まじいグラフィックを誇るソフトが多い360の中では並クラス。
サラウンド対応度は悪くないです。

アクションも御伽チームなだけあって安定したつくり。一撃の重さも御伽譲りの爽快感があります。
3種類の武器を使い分けて進む、というのは割とオーソドックスですがどの武器にも個性があって使い分けの意義があるのは良い感じ。
いわゆるバレットタイム発生装置のニンジャビジョンもスローモーション以外にも見えない敵を見つけたり、
道しるべを見つけたりと単なるオーソドックスな機スロー能に終わってないのが好感触。
忍術は即時切替可能で広範囲攻撃用、遠距離攻撃、防御向き、とこれも使い分けしがいがあって楽しめます。
武器と忍術は強化可能なので自分のスタイルに合わせて強化できるのは楽しい。

と、ここまで褒めましたが個人的には本作をあまり評価してません。

ムービーとQTEの相性がイマイチ
ムービーシーン自体のデキは良いんです。
でもQTEが挟まりすぎて正直メンドくさい。ジャンプするのにボタン押し、着地するのにボタン押し…
しかもQTEは失敗したからといって展開が分岐するわけではなく、失敗するとやり直しになるだけ。(一部シーンでのみダメージを受けるなどの別展開あり)
そのやり直しも何故か時間を巻き戻す演出が入り(スキップは可能)、「リトライ」とだけ表示された画面でAボタンを押さないとリトライさせてくれません。
巻き戻すならそのシーンから直で再開すればいいのに。
ムービー中は飛んだりはねたりする度にボタン入力を要求され、どれも単なる反射神経ゲームなので面白みはありません。
さらに同じようなシーン、例えばここで攻撃!ってシーンではXボタンとYボタンの2種類が使われるため直感的にこなす事は不可能です。
場面によっては攻撃!ってシーンでスティックでの方向入力を求められることもあり、結局画面の指示とにらめっこになります。
映画に参加するような没入感を狙ったのだと思いますが、正直邪魔なだけでせっかくのイベントシーンを無駄にしてるように思います。
せめてボタンは統一するとか、入力箇所を減らすとか、失敗することに意義を持たせるとか、マシにする方法はあったと思うのですが。
ついでに。アクションゲームなんかだと周回プレイをする場合、ムービーシーンを飛ばすことが多いと思うのですが
このゲームはQTEが入るため飛ばせない部分が多数存在します。(QTE関係ないムービーは飛ばせる)
一応スコアに関与するとはいえ、3Dアクションゲームで何度もリズムアクションさせられるのはどうなのか。

シューティングパートが邪魔
個人的にFPSゲームによくある「乗り物(ルート固定)の銃座に乗って敵にカーソルを合わせて攻撃」するシーンが嫌いです。
どのゲームも似たような内容になる上に、単なる覚えゲー・作業ゲーとなってしまうためです。
本作におけるシューティングパートもまさにその通りで他のゲームの固定銃座パートと大体同じ内容です。
一応、本作は武器がマシンガンとキャノンで分けられるのとシューティングパート中もニンジャビジョンによるスローが使えるのである程度はマシですが…
ただ、一般的なFPSでは大抵1回くらいしかやらないシーンですが本作では3回くらいやることになるのでやはりイマイチ。
QTEパートといい、1週目は良くても2週目以降のやる気を削ぐ部分が非常に多いです。
ちなみに急降下パートも単調で面白くないのですが、これは時間的には非常に短いのでそれほど邪魔には感じないレベルかと。

アクションパートが平凡
武器の使い分けはよく出来てるし、攻撃の爽快感もそこそこあるし、忍術は使い勝手が良くて攻撃に練りこみやすい。
…のですがこのゲームならではの楽しさ、みたいなモノが薄いです。
御伽の頃は独特の浮遊感や破壊の爽快さが有りましたが今作ではもちろん世界が違うのでそういうのはないし、
ニンジャガイデンのように攻撃にそれほどの多彩さがあるわけでも無い。
ついでにザコ敵の種類が少なく、せっかくの武器や忍術をフル活用する相手が不足がち。(ボスは結構種類いるんですけど)
特に堅いザコがいないのでせっかく色んな技が用意されていても使いどころがありません。
アクション自体のボリュームが少ないのもあっていまいち物足りない感じ。
敵を倒すとたまに発動するフィニッシュアタックもただでさえ食傷気味なQTE(ボタンランダム)を2回成功させる必要があり、
別段ゲームとして面白くなっているわけではないので正直面倒。
(ついでに、少し前にプレイしたソニックワールドアドベンチャーのQTEと性質がほぼ一緒で新鮮味も皆無)
さらに1ステージ丸ごとステージ使いまわししてたりと全体的なボリュームの割には手抜きも目立つのが残念。
ボス戦闘は攻略パターンが複数あって悪くないのですが、全体的に地味な仕上がり。
もう少しゲーム全体がアクションパート寄りでもよかったと思うんですが…

全体的に漂う没個性感
まずタイトルからしてニンジャガイデンまんま、で実際ニンジャガイデンっぽいシーンもいくつか見受けられましたが(武器刺さりまくってるシーンとか、飛燕っぽい攻撃とか)
別にゲーム内容がニンジャガ方向ってわけでもないし、無理やりニンジャガを意識させる必要が感じられないのですが。海外向けだとこうせざるを得なかったんでしょうか?
またせっかく東京を舞台にした割にはあんまり東京である必要が無いようなステージばかりなのも残念。
上でも書きましたがQTEとか、固定銃座とか、どのゲームで採用しても似たようなものになってしまう部分が結構な部分を占めているだけに
どうしてもゲーム部分に個性が感じられません。
メタルウルフカオスの時と同じように、
世界観やストーリー演出は優秀なのですが、ゲームとしてみると意外とフツー、なゲームとなってしまっています。
イベントシーンがあれだけハジけてるんだからどうせならゲーム部分もハジケてた方が良かったんじゃないかなぁ、とか。


自分は御伽シリーズが好きで大統領(メタルウルフカオス)はビミョー、ニンジャガもビミョー(特に2は)、というスタンスなのですが
今作はどうも大統領寄りでゲームとしての評価は結局こんな感じに。評価は★★★と★★★☆で悩みましたがランキングバグってるので3つに。
多分大統領をゲーム部分も含めて大好き!って人なら今作は期待通りのゲームになると思います。残念ながら自分はそうならず。
ひたすらマジメにバカアクションを繰り広げるストーリー自体は良いのですがゲーム自体が極めて普通。
アクション自体のデキはいいものの他が足引っ張ってる感じです。
特に本作はシネマティックがウリなためか全パートを切り離せないため、微妙な部分がやたらと目に付きます。
きっとムービーシーンだけを編集した動画なんかが作られれば動画サイトでウケるようなゲームだとは思うのですが。
続編が出れば化けそう、ですがそう思ってた大統領も結局続編が出なかったので今作はさらに残念なことになりそうな気がしてなりません。
大画面・5.1chでイベントシーンをゲラゲラしつつプレイそれなりに楽しめる1本ですが、細かいところに目を向けると色々とアレな一本でした。

その他
○旧来のファン(御伽時代の)向けのサービスが嬉しい。
○操作方法などの説明が親切。
○アクションゲームにしては珍しく自キャラの見た目のカスタマイズが細かい&全編通して見た目に反映される
×服の模様と色、ほぼ見えない額のエンブレムしか弄れないのでプレイ時はイマイチ目立たない
・1週10時間前後でクリア可能(自分は1面のみ2度プレイして10時間。通しでは7時間半でした)
×普通に考えればボリューム不足。イベントシーンはいいとして、アクション部分が不足
×リプレイ性が微妙。1ステージが長い&QTE飛ばせないとあってやる気が失せるかも
○成長要素やハードに挑むことで解除される実績もあるのでQTEが嫌いじゃなければやり込みもアリ
○スコアランキングに対応。スコアのみならず最大コンボ数やクリア時間などでも競えるのは楽しげ
×1月31日現在、ランキングの総合スコアがバグっている。バレットウィッチを彷彿させる…
○オプションでカメラの上下左右反転など色々と細かい調節が可能。
○実績が1週クリアで半分解除される程度の良バランス。そこまで難しい実績もなさそう。
×イベントシーンをQTE無しで流すモード(or難易度)が無い
×メニュー画面のレスポンスが若干悪い
×ステージが長い割には途中でセーブできない



サラウンド評価
ニンジャブレイド
レビュー日:2009年1月31日
機材:ASP-2070・SU-DH1+HD-650
総評:★★★★

シネマティックアクションを謳ってるだけあって音も派手。
映画を見るように、サラウンド大迫力で楽しむとこのゲーム(のイベントシーン)をより楽しめると思います。
自分は最初はヘッドホンでプレイしていたのですがスピーカーでプレイした方が楽しめる気がしました。

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