ソニックワールドアドベンチャー(アジア版) 公式サイト アマゾン
レビュー日:2008年1月26日
プレイ時間:10〜20時間
クリア:済
グラフィック:★★★★☆
5.1ch対応度:未
Live:完全非対応
総評:★★★★

セガの象徴であり高速アクションの代名詞のソニックシリーズ最新作。基本的に3D。
今作では通常のスピーディーな「ソニック」パートに加え、
全編の半分程度はいわゆる無双風アクションである「ウェアホッグ」パートが占めてるのも特徴。

まずソニックパート(昼担当)ですが持ち前のスピード感はかつて無いほどまで高まり、
美しく爽やかに描写された世界中の国々を走り回る疾走感はなかなか。
難易度は高めで初回プレイはいくどと無く落下死を繰り返し、骨折りながら低ランクでゴールに辿り着くのがやっとですが
慣れると敵も罠も飛び越え常に走り続けるハリネズミレースゲーと化すのも従来のシリーズ通り?
ウリのスピード感についてはグラフィックの強化、エフェクト強化によってかなり顕著になってます。
旧箱のカンタムレッドシフトを思い出すようなスピード感でファンならコレだけで買っていいんじゃね?ってくらい。
普通に走るだけでも早いんですが今作はXボタンでブーストが可能(エネルギー消費制、リング取得で補充)で
レールだろうが水面だろうが高速で飛ばせるのが気持ち良い。
ステージのつくりは初見殺しも多く、さらに長いので1周目はテンポ悪いですが
クリア後のリプレイという点においてはルート選択やショートカットなど自由度が高く、走りがいがあります。

ウェアホッグパート(夜担当)は誰が望んだのか、割と普通な無双風アクションゲーム風味。
2つの攻撃ボタンを使い分けてそこそこワラワラ出てくる敵を蹴散らしながら進みます。
また通常のソニックパートでのジャンプアクションが削られたしわ寄せか、ウェアホッグパートは移動足場などの
ギリギリの操作が要求される場面が多いです。狭い足場移動させられるシーンの多さはかなりゲンナリするレベル。
しかしその分難易度はソニックパートと比べると低めで戦闘もコツさえ掴めば割と楽な部類。
ソニックと同じく、1ステージ1ステージが長いのですがこちらは明らかに2週目やる気起きない程度の長さ。
ソニックステージと違ってタイム縮める部分が少ないので慣れても恐らく1ステージ15分以上は掛かるかと。初回は30分とか。
アクションゲームとしてのデキは極めてフツウですがやはりソニックシリーズでやる必要あったのか、という疑問が付きまといます。

ゲーム進行は大体ソニックとウェアホッグのステージを交互に勧めていく感じで
街パート→ステージ→街パート→ステージ→ボスステージ
という感じの流れ。
街パートは街の住民から情報収集したりミッションを課せられたりするパート。
街の人口が結構多い上にちょくちょく言うことが変ったり、さらに昼と夜で別のイベントが発生したりと
無駄にボリュームが多いのがちょっと難点。
このゲームはコレクション要素も多く街パートではそれらの収集要素ももちろんあるのですが
いかんせん本編がブツ切りにされてしまい、ただでさえ本編ステージが長くてテンポが悪いのに全体的なテンポの悪さに繋がってます。

で、だれもが気になる「ウェアホッグ蛇足じゃね?」という疑問については正解であり、不正解でもあり。
先にも書きましたが、ソニックステージの難易度は明らかに高く、死に覚えゲー、というか人によっては先に進むの挫けるレベルだと思います。
なのでかなーり慣れるまでは結構ストレス溜まるのです。
それに比べるとウェアホッグのステージは初見殺し要素は皆無であり、慎重さを要するシーンは大量にあるものの
難易度自体はさほど高くないのでソニックステージと比べてクリアだけならかなり簡単になってます。
時間さえかければ確実にクリアさせてくれるので心を折られることは少ない…はず。
つまりウェアホッグステージは理不尽なソニックステージに対する緩衝剤となっているのです。
ゲーム序盤は結構ありがたいものだったり。

ただ、それは単にソニックステージの難易度調整をもう少しユルめにするなり、ステージ数増やして徐々に難易度上げるなりで解決する問題であり。
「ソニックらしさ」、それ以前に個性のほぼ無いウェアホッグステージがこのゲームに本当に必要だったのか?と言われれば明らかに要らない子であるといわざるを得ません。
実際クリア後に二度とプレイする気起きませんし。
特別爽快感があるわけでもなく、練りに練ったパズルがあるでもなく、本編のスピード感も殺す普通のアクションが半分を占めてるようでは
海外で酷評されたのも仕方いかなー(あと街パートのダルさ)とか思ったり。
品質が低いわけではないんですけどねぇ。

クリア後のソニックステージのタイムアタックはやはり楽しいので疾走ファンにはオススメですがそこに至るまでがちょくちょくダルい本作。
あと肝心のソニックでのタイムアタックもXboxLiveに対応してないとかガッカリな仕様が多いですが
一応ゲーム側でのノルマは課せられるので(かなり作業臭&ボリューム水増し)そこそこ長く遊べるんじゃないかと。
問題のウェアホッグもつまらなくはないのでソニックパートのオマケだと思えばなんとか。
妙なところに手を出さず、このクオリティのソニックステージを倍作っておけば間違いなく評価されただろうに、色々と勿体無い…


わりとどうでもいいところ
○ロードは割と快適。
○グラフィックは上でも書いたけどかなり上出来。デフォルメしつつもきっちり綺麗。
○プリレンダムービーもそこそこ。
○街の住民の数が多い割には個性付けがしっかりしてる。手が込んでるのは確かなんですが…
○音楽は歌モノではなくなったが楽曲自体は良いデキ。
○ゲームとして面白いかは別として、終盤の展開はアツい。
○実績の割り振りはそこそこ良い感じ。ただし、最後の方のステージ関連はちょっと理不尽な点も。
○アジア版は発売時からとても安かった
○ツンデレ関連のミッションの難易度がやたらと高いのは妙に現代っぽいというかなんというか。
×日本版だけ発売3ヶ月延期ってのはどうなのか。
×QTE(タイミングよく画面に表示されたボタンを押す)が多すぎてちと目障り。特にテイルズステージ。
×色んなインターフェイスがイマイチ。買い物画面とか。
×やりこみ要素から「用意してやった」感が漂う。ホットドッグ屋の敵倒した数とか何が楽しいの?と。
×「オプション」がシンプルすぎる。いつの時代かと。
×何故か最後の方の肝心なシーンでキャラの名前のイントネーションが間違ってる。収録順?
×キャラが画面上を向いている時に、下ボタンを押してもすぐ後ろを向かずに若干前へ進みながら下を向く(ターン動作)。このせいで崖から落ちることも。
×ウェアホッグ側のイライラ棒シーンをはじめ、カメラがかなり不親切



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