ユアシェイプ フィットネス・エヴォルブ   公式サイト  アマゾン

レビュー日:2011年1月9日
プレイ時間:10時間程度
グラフィック:★★★
5.1ch対応度:未レビュー
Live:現時点では未対応
総評:★★★★

割とどんなジャンルでも手を出すUBIソフトが贈る、Kinect専用フィットネスゲーム。
ゲームと言うにはやや微妙なところなのでフィットネスソフトと言ったほうが適切かもしれません。

内容は基本的には画面に表示されるインストラクターと同じ動きを実際に行うことでその動きが測定され、評価されるというもの。
たったそれだけなのですが、このゲームの凄いところはまずキネクトの最大の利点でもある、コントローラーを使わない、ということ。
フィットネスなのですから体を使うのは当たり前なのですが、実際に体を動かす際にコントローラーなんて握ってたら邪魔なことこの上有りません。
今までの体感モノは何か特殊なデバイスを使ったり(リモコンとか板とか)、部分的なセンサーを使ったり、逆にビデオ教材的に一方的にこれしろあれしろと言うだけなのですが、
本作は実際に何の障害もなく全身を動かすことが出来る上にそれらすべての動きを識別、評価します。
画面に併せて自由に動ける上に、それに併せて「手をもっと上げて」とか「足を大きく広げて」とか的確な助言がかけられるのですから驚きです。

運動メニューも豊富でまず体力測定を行い、その後豊富にあるコースから自分に合ったメニューが選択可能なパーソナルトレーニング、太極拳的なZEN・ボクササイズなカーディオのクラスが選択可能なフィットネスクラス、
4種類の体を使ったミニゲームと選べるコースは多岐に渡ります。
特にパーソナルトレーニングは5分程度の短いものから、30分程度のガッツリしたもの、ダンベルの使用を前提としたハードなものまで幅広く選択できます。
所詮ゲームだし、ヌルいんじゃ…と思われる方も居るかも知れませんが、正直なところ逆にハードで全く運動していない人だと相当キツいレベルです。(特に最初の体力測定がキツい。別に無理せずに一部諦めれば適切なレベルに案内されますが)
もちろん、複数のコースを選択して色々なトレーニングをすることも可能。
筋肉をつけるためのコース、足を鍛えるコースなど目的に応じたコースを選択することで、自分の目的にあったトレーニングが可能です。

各コース共通して、運動中はインストラクターとKinectで取り込まれた自分のシルエットが表示されます。
このシルエットは自分の動きがほぼ遅延無しで表示されるため、実際はインストラクターと自分の動きを同時に見ながら運動することになります。
そのため自分の動きを修正しやすく、画面に表示されることによってなんとなくゲーム的に没入感が生まれる効果が有るような気も。
また消費カロリーも常に表示されています。この表示、単にこの動作は何カロリー、というだけでなく、動きの大きさで消費カロリーが計算されているようで同じ運動でもやる度に消費カロリーが違います。
消費カロリーはゲーム開始時から蓄積されていき、Xbox360の実績も殆どがこの消費カロリーの数字で解除されるため、あと○○カロリーで実績解除!となるとやる気が上がります。

今までWiiFitにも手を出したことがなく、所詮ゲームで運動なんて…と思っていたわけですが、本作はかなり本格的かつ革新的。
他のキネクトソフトもかなり体を使うものが多いのですが、本作はトレーニングに重点をおいているだけあってかなり効果的。
数日続けただけでそれなりに効果を体感できるほど。
ジムに通うような内容が家でも出来る、と考えればコストパフォーマンスも非常に高いので続ける意思さえあれば末永く使えるツールです。
個人的にはダンベルと一緒の導入をオススメしておきます。

と、ここまで内容に付いて評価しましたが、ゲーム的に見ると全体的に不親切・あと一歩な所が多いです。
まずは全てにおいて説明が不足していること。
フィットネス用語がバンバン出てきますが、何の説明も無いため理解に苦しみます。いきなりランジをしましょう!と言われてもランジって何?となります。(画面の動きをマネれば何とかなるとはいえ)
また、何をするべきか、どれだけするべきか、どのコースにどういった効果があるのか、等がかなり不明瞭です。
選べるメニューは多彩ではありますが、どれを選べばいいのか、どれがハードなのか、同じものをどの程度続ければいいのか、どういうメニューを組み合わせればいいのか…
一度パーソナルトレーニングを終了すると1/12完了とか表示されるものの、別のトレーニングを行うと回数がリセットされるので12回同じトレーニングをしなくてはならないのか。
その割にはロード画面で「色々なメニューを組み合わせましょう」とか表示されるのはどういう事なのか。
などなど、説明が相当不足しています。別に適当に運動しまくれば痩せるからいいじゃん、といえばそれまでなのですが、
せっかくなら腹筋を鍛えたいならコレとコレを1週間続けましょう!とか教えてくれればいいのに、と思います。
また、判定がシビアすぎるメニューと、ヌルいメニューの差も感じます。
どうも「リズム」と「体の動き」を判定しているようなのですが、どちらが間違っていても「リズムが違う」と注意されているような気が。
「リズムが違う」と言われて必死にリズムを併せても全然OKにならず、実は足の角度が違っていた、なんてことがよく起こります。
「おおよそ合っている」場合は足上げろとか手を前にとか助言してくれるのですが、「リズムが違う」状態になると何もアドバイスしてくれなくなるので自分が行なっている動きがそもそも正しいのかすら分かりません。
恐らく、各動作ごとの助言のバリエーションがさほど無いため、想定外の動きには全く助言出来てないのかな、とは思うのですが。
そのため運動内容毎に達成率が100%に近いものと、非常に低い物の2択になってしまいます。ネットで正しい運動方法調べると解消することはするんですが。
後はオプションメニュー的な物が無く、妙に音量が小さいとか、音声とBGMのバランスがイマイチだけど直せないとか、BGMが固定だとかそういった細かいところも痒いところに手が届かないもどかしさ。

非常によくできたソフトだけに、惜しい部分がかなり目に付きます。
また、実は海外版だとネットと連動して毎日どれだけカロリーを使ったか、どれだけプレイしたか、等を参照出来るのですが、日本版だと完全にカットされているため過去5回(日)分の消費カロリーしか参照出来ないのは非常に残念。
HaloシリーズのBungie.comやEAのユーザー登録のように、英語でもいいので使わせて欲しかったものです。レコーディングダイエットなんてものも有るわけですし。
ここらへんは是非パッチ、もしくは次回作で改善して欲しいところです。



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