円卓の生徒 公式サイト
アマゾン
レビュー日:2011年2月21日
プレイ時間:65時間(通常難易度でストーリー部分ほぼ完了)
グラフィック:★★★
5.1ch対応度:ステレオ
Live:非対応
総評:★★★★☆
PS2のWizardryXTHシリーズ等、ダンジョンRPGばかり開発してる事で知られる、TeamMuramasaによるファンタジーダンジョンRPG。PC版からの移植作。
ダンジョンRPGといえば古くはウィザードリィ、最近だと世界樹の迷宮なんかで割と固定客が付いているジャンルですが、360では初、らしいです。(インディーズは除く)
個人的にはTeamMuramasaってだけでキタコレ!という感じなのでちょっと贔屓入ってるかもしれませんがご了承ください。(WizardryXTHが好きだったのです)
ストーリーは100年前の光と闇の戦いで敗れた「主人公」が、新たに仲間となった「生徒」達と絆を深め、闇に立ち向かっていくというもの。
光対闇というド王道なファンタジーですが、特徴としては主人公とその他キャラとの絆を深めることが題材となってることでしょうか。
正直なところ「先生」とか「生徒」だとか単語は出てきますが、本編には全く学園要素はないのであまり生徒どうこうってのは関係ない気もしますが。
ジャンル的には「ダンジョンRPG」を謳っているものの、かなり通常のストーリー重視のRPGに近い分かりやすい内容となっています。
例えば、明確な主人公がいたり、キャラメイキングが無く登場キャラクターは全て固定だったり。ボーナスポイントの振り直しなんかも無く。
またダンジョンRPG(というかウィザードリィ)ではお約束の「蘇生失敗したらキャラ消滅」とか「壁の中にいる(即死)」とか、老衰死とか、レベル上がったらステータス下がったとかそういう要素も完全廃止。
一般的なRPGからフィールドを無くしてに3Dダンジョン付けた、と考えれば大体OK。
ダンジョンRPGをプレイした事が無い方でも安心な親切設計です。
本作の最大の魅力は、快適さにあります。
ダンジョンRPGというだけあってダンジョンに潜って敵を倒し、アイテム集めたりより奥に進んだりするのがメインになりますが、とにかく基本的な操作性やレスポンスが邪魔しないように出来ています。
決定ボタン押しっぱなしでもカーソル位置を記憶して同じ動作を繰り返す戦闘とか、Rボタン押しっぱなしでの平行移動とか、魔法やアイテム使用のショートカット操作等、操作はPS2のWizardryXTH時代から続いてるだけ有って無駄がありません。
ロード時間は(インストール済みの場合)ほぼ無く、メニュー画面等の表示も速いため待たされてイライラすることも無く。
(通常プレイなら)どこでもセーブ可能だったり、戦闘時にバックログを読みなおせたりと黙々と潜れる快適環境が用意されています。
快適な環境に加えて、本作ではイベントも充実。
一般的なキャラクリエイト前提のダンジョンRPGだと世界の流れに流されるようなシナリオが多いのですが、本作はキャラ固定なだけあって、キャラクターを軸として物語が進行していきます。
また、ダンジョン内でもかなりの頻度でキャラ同士でのやり取りが発生するので初回プレイ時は少し潜れば何かしらイベントが発生するので黙々と潜るだけになりません。
ウィザードリィXTHシリーズだとダンジョン自体は本当にただの通過点だったので普通に潜ってる間にも色々と会話が出てくるのは嬉しい。
拠点(街・城)でもキャラクターと食事イベントが有ったりと割とキャラゲー色は強め。
とはいえ、ムービーが入るわけでもなく、割と淡々としているので濃厚なものを求めるとやや期待はずれかも。
ついでに過去作の時点で「萌えウィザードリィ」とか言われてた位なのでそう言うのを毛嫌いする方は同系統の本作も避けたほうが良いかと。(ウィザードリィではありませんけども)
絆を強める→親しくなるという流れなのでつまり…
世界観を支えるグラフィック等については、まずモンスターのグラフィックが美麗で圧倒されます。王道ファンタジーチックですが、それがいい。
キャラクターはファンタジー風味と最近の流行を適度に合わせた感じで媚びすぎず、ガチすぎず…という感じ。
随所で1枚絵が導入されたりするあたりが今風ですが枚数は少なめ。キャラ偏ってるのはご愛嬌?
ダンジョン等3D部分ややエフェクトについてはPSレベル。解像度は高いので大して気にはなりませんけども。
BGMは戦闘BGM含めゲームにピッタリで使い方もよく盛り上がります。
ただ、SE及びキャラボイス(被ダメージ時のみ)については過去のXTHシリーズからほぼまるごと使い回しなので過去作を知っているとニヤニヤ出来る反面、過去作のキャラを思い出して微妙な気分にも。
難易度はノーマルだと序盤はこの手のジャンルにしてはかなりヌルめ。
ダンジョンから街へ戻るのが楽だったり、死亡ペナルティがほぼ無かったり。
またトラップポイントを活用することによって定点狩り(敵が出現する場所を往復して戦闘し続ける)が可能、確実に装備品を落とすので強化もラクラク。
後半に行くにつれ、またクリア後なんかはそれなりに手応えが出てきますが、全滅を繰り返すような難易度にはなりません。
とはいえ、オプションでいつでも難易度を「ベテラン」(敵のレベルが上がる)に変更できたり、2週目用として「MASTERモード」が用意されていたりとマゾい方面にも抜かりはありません。
正直発売してからサルのようにプレイし続けていたくらいなので、自分みたく久しぶりにダンジョンRPGがしたい方、または今までダンジョンRPGはやってなかったけどやってみたい、という方には文句なしにオススメです。
ウィザードリィのような俺パーティによる妄想の余地や、ガッチガチの緊張感は(通常難易度では)ありませんが、ダンジョンRPGという古典的な良さと、キャラゲーという最近の流行を取り合わせた割と万人向けな作品となってます。
昔のTeamMuramasa作品と比べるとかなり完成度も高く、今後の作品にも期待です。
その他
・サラウンドは完全非対応。まぁジャンル的に…
・初期設定の音量バランスがおかしい。BGMが大きすぎる。
・フォントが読みづらい、という評判が多いですが、42インチでプレイしている分には全く気にならず。
・フリーズする要素があるみたいです。オートセーブが超便利なので忘れがちですが、普通のセーブも頻繁に。
・たまに戦闘前後のロードが長くなるのがちょっと気になる。長いと言っても10秒程度なんですが。
・実績はかなり取りやすい。但しマスターモード必須なので時間はかかりそう。
・円卓の生徒ビジュアルブック(アマゾン
)は本誌も猛烈にネタバレ、データCDも超ネタバレなのでクリア後か、覚悟を決めてから購入するのがオススメ。(PC版公式サイトもネタバレ?)
・どうでもいいところにパロディ挟んでたりして油断ならない
・相変わらず、テキストがきわどい部分がある(性的な意味で)
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