Steins;Gate シュタインズゲート 公式サイト AMAZON(通常版)
レビュー日:2009年11月21日
プレイ時間:25時間 (各種ED、実績コンプリート)
グラフィック:★★★★
5.1ch対応度:★★☆
Live:非対応
総評:★★★★☆
※公式サイトは見ないほうが楽しめると思います。ネタバレが酷いので。同じくファミ通Xbox等のメディアも控えた方がよさげ。
※当レビューはネタバレ無しです。
※購入したのは通常版。初回版も通常版もゲーム内容は一緒。
各方面から絶賛されたXbox360オリジナル(移植作ではない)アドベンチャーゲーム。言い方を変えるとギャルゲ。公式では「想定科学ADV」。
ストーリーはSF(タイムワープ)を主軸に、中二病(作中では厨二病)、2chといったオタクには身近かつタイムリーなネタを主体としたサスペンス。
難解な用語(主に科学関連とネット用語)が連発されますが、割と分かりやすいように噛み砕きつつ、かつネット用語等はTIPS(これがかなり分かりやすい)で解説もあるので敷居はそこまで高くない感じ。
ただし、パロディが主体の作品ではないとはいえ相当な頻度でアニメ・ゲーム・ネット等のオタクカルチャーのパロディが出てくるので耐性が無い人にはキツいかも?(そもそも耐性が無い人がギャルゲするかは別として)
そこらへんのネタに理解があればあるほど、登場人物のやり取りが理解できてニヤニヤできるはず。
ストーリー自体は良くありがちなタイムトラベルモノですが、やたらとリアルで身近な秋葉原の描写や緻密な科学設定もありなかなか引き込まれるものがあります。
正直何を書いてもネタバレになりそうなので「体験版やれ」というのが一番分かりやすく、かつ無難なので360本体を持っているようでしたらとりあえず体験版オススメ、です。
体験版であのノリ(中二、ネット関連)がダメならダメですし、面白そう、と思ったのであればまず大丈夫なはずです。体験版以降はそれ以上に面白いので。
なお体験版は結構時間かかる(2、3時間〜くらい?)ので時間があるときにプレイした方が良いです。自分は体験版で買うの決めました。
グラフィックは「いかにもギャルゲ」という感じのあまりしない独特な雰囲気。
背景は実際の秋葉原にかなり近く、ソフマップやアニメイト等、実際の企業名がそのまま出ているものもあり、実際に秋葉原に訪れたことがある人にはちょっと嬉しい仕様です。
CGはやや少なめな気がしますが立ち絵はそれなりに動くのでさほど気になりません。(ちょっと立ち絵のまゆりの目が気になる)
音周りは普通。
BGMはOP等一部を除いては特に記憶に残るものがありませんでしたが場面には合っていたと思います。
声優陣は自分でも知ってるくらい有名な方が多く、キャラクターにもピッタリな感じです。(綯だけはちょっと外しているような…)
長いセリフの多い本作ですが、安心して聴いていられます。特に主人公の熱の入った演技は感動的。中二病セリフはクドくて飛ばしてしまいますけど。
ただ、つぶやく様に喋る場面では音量が極端に低くなり、聴きづらいを通り越して聞こえなくなってしまうのが残念。音声音量上げると通常の場面でうるさくなってしまうし…
ゲームシステムとしては携帯電話を使用するタイミングで物語が展開する「フォーントリガー」が画期的です。
ゲームを通して(メールの返信内容選択以外は)選択肢が表示されることは無く、いつ携帯を開いてメールを読む/書くか、電話に出る/かけるか、の行動で物語が変化していきます。
「選択させられている」という感覚を感じずに自分の取ったふとした行動で物語が進んでいく、というのは変化のきっかけがわからないだけになかなか斬新です。
ただ、1度エンディングを見ると、その後は携帯電話の操作タイミングを教えてくれるようになってしまうので斬新さ・緊張感は大分薄れてしまうのですが…
フォーントリガー以外でも、常に携帯電話でメールの確認等が出来るというのは現実的かつ、混乱しやすい時系列を自分で確認できるという意味でなかなか良いシステムだと思います。
ゲームプレイの快適性という意味では結構早いスキップ機能やデフォルト操作では右スティッククリックで行えるクイックセーブも便利です。このあたりの基本システムはなかなか洗練されてる感じ。
ローディングも無く、プレイ中にシステム的な点で水を差されることはありません(インストールしてたのでインストール無しだと不明)。
あえて挙げるならフレンドのオンライン通知と実績取得アイコンがポコンと出るくらい。実績は取りやすいので実績好きな方にも。
ネタバレを避けると何も具体的なこと書けないのが難点ですが、シナリオ、システム等どれをとっても高水準でまとまっている良作です。
特にストーリーはなかなか惹きつけられる物がありました。久しぶりに1日に14時間もゲームするくらい。世間で騒がれるのも納得。
秋葉原関連、中二病等も結局ストーリーに影響していて、ただのキャラクターの個性付けに終わっていないのは良いですね。
個人的な不満点としては、ジャンル上仕方ないのかもしれませんが、Trueエンド以外のエンディングを経由する行為がちょっと熱を冷ましてしまってる感があるかなぁ、と。
個別エンディング自体が悪いわけでもなく、もちろん、個別エンディングの展開があってこそTrueエンディングが引き立つのですが…
シナリオ中盤まではひたすら盛り上がっていくわけですが、一旦個別エンディングを見るとそこでゲーム的な考え(分岐攻略を考えたりとか)が出てきて冷めてしまうのは勿体無い。
それさえなければ★5つでした。
主人公のクドい中二病描写、2009年夏頃の2chのネタやノリ、そこそこ複雑なSF描写と明らかに人を選ぶ作品ですが、体験版をプレイして少しでも面白かったと思うのであれば買って損はしないはず。
現実っぽい描写、という意味ではかなり2009年現在の状況を反映しているので、プレイするならリアル感を得るため、そしてネタバレを見ない、という意味でも早めの方が良いかもしれません。
なお、シリーズ2作目と言われてますが前作にあたる「カオスヘッド」は未プレイでも全く問題無さそうです。
自分も未プレイでしたが、本編に全く関係のない部分にしか影響しないのでモヤモヤしません。
ギャルゲということでドン引きされる方も多いと思いますが、意中の女の子と仲良くなってキャッキャウフフ、という作品ではないのであまり(世間体を)気にせずプレイ出来るかなと。
ちょっと前に流行った「ひぐらしのなく頃に」、みたいなギャルゲと見せかけて意外と普通にサスペンス…と言った感じ。個別ルートとか、キャラ見れば十分ギャルゲですけど。
映画とも小説とも違う、ゲーム独特のシステムを活用した娯楽として常に良く出来た作品だと思います。とりあえず体験版やって、ニヤニヤしてしまったらぜひ。
サラウンド評価
Steins;Gate シュタインズゲート
レビュー日:2009年11月21日
機材:ONKYO TX-NA807(アンプ)+B&W685(フロント)+ONKYO A250(サブウーファー)+ASP2070付属スピーカーx4(リア、バック)
※セッティングゴチャゴチャなのでやや評価曖昧です
総評:★★☆
基本的に会話がメインのゲームなのでサラウンドが活用されるシーンは少なめ。
ラボ内での位置取りや屋外で後ろから声をかけられた場合なんかにサラウンドを感じる程度。(町の喧騒やSEも対応していたような、そうでもなかったような…)
ただ、この程度でもPC主体のこのジャンルにしては頑張ってるように思うのですが、実際はどうなんでしょうか。(アイマスすら2chだし)
上のレビューでも挙げたとおり、一部つぶやき音声の音量が小さいため、どちらかと言うとヘッドホンの方が向いている気もしますが、
せっかくだからクリスティーナやまゆしぃに後ろから声かけてもらうぜ!という意気込みがあるなら5.1chも悪くは無いかな、と。
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