アイドルマスター   公式サイト アマゾン
レビュー日:2008年7月7日
プレイ時間:5時間くらい?(1アイドルプロデュース完了・最終Bランク)
グラフィック:★★★☆
5.1ch対応度:非対応(勿体無い!)
Live:オーディション対戦、スコアアタック、マーケットプレイス
総評:★★★

ギャルゲーと見せかけて実は育成ゲームであり、ダンス鑑賞ゲームであり、
やっぱりギャルゲー(キャラゲー)であるXbox360(の一面)を代表するソフト。
通称アイマス。
非常に特殊なゲームですが早い話がランダム要素を極端に排除したパワプロのサクセスモードみたいなものです。
ミニゲーム的なレッスンでアイドルの能力を上昇させ、
音ゲー&戦略ゲー的なオーディションを勝ち上がりアイドルのランクを上げる。
そしてその合間にギャルゲー的なイベントでキャラクターを掘り下げ関係を良くして行く、という感じ。
1年間という期間の中でいかに多くのファンを獲得し、アイドルの高みに上り詰められるかを目指すのが一応の目標です。

まずプレイして驚くのがレッスン部分・オーディション部分が意外とゲーム性と戦略性に富んでいること。
ギャルゲーじゃん、と油断してると間違いなく勝てない、割とシビアな難易度です。
さらにオーディションはオンラインでの対人戦を搭載することによってリズムゲームの技術の他にも戦略性が必要になってきます。
このオーディションでの勝敗はゲーム内での達成度、そしてオンラインランキングに大きく影響するので競技性は高いです。

そしてそのオーディションを合格すると見ることができるアイドルが歌って踊るシーンですが
この歌と踊りの自然さも非常にクオリティが高いです。
ここら辺は各種動画サイトを見ればわかりますが家庭用ゲーム機でここまでヒトの動きに拘ったゲームって無かったんじゃないかと思います。
歌も各アイドルごとに録音されており、個性豊かな楽曲がそろっています。

好みの見た目のアイドルに歌って踊らせるだけではなく、各キャラクターごとに多数のイベントが用意されているのもウリのひとつ。
「営業」や「休日イベント」ではそれぞれのアイドルごとにイベントが発生し、
選択肢やボディタッチの結果でイベントごとの結末が変わるという非常にボリュームのある部分です。
ただでさえボリュームがあるのに登場キャラクターが10人もいるため一通り遊ぶだけでも相当時間がかかりそうです。

そんなわけで意外とゲームプレイは充実していてライトな見た目に反して奥が深く、
ボリュームもたっぷりで所詮ギャルゲ…とか思ってても意外と楽しめます。

ただ、このゲームで致命的にダメなのが「テンポの悪さ」です。
基本的にレッスン、オーディション、営業の繰り返しだけで進むゲームなのですが
それぞれの工程においてスキップできない待ち時間が数多く存在しています。
例えば毎朝の挨拶、オーディション開始待ち、セーブ確認などなど。
毎回同じ(もしくは同じような)セリフが流れるのにスキップできない場面が多く、
何度も繰り返すうちに非常にダルくなってきます。
プレイ時間のうちに占める待ち時間比率が非常に高いのでガンガン進めることが出来ません。
アーケードゲーム時代ならともかく、家庭用で意味も無く待たされるのはストレス以外の何者でもありません。

そしてこのゲームで非常に勿体無いのがキャラクターとのイベントを見る機会の少なさです。
このゲームはゲーム内時間で54週(1年)という限られた時間の中、今週はレッスン、今週はオーディション、といった具合に行動を選んでいくのですが
一般的な(ランク上げ目標)プレイスタイルだと
レッスン:15回くらい
オーディション:25回くらい
営業・休日:15回くらい
という配分になります。
レッスンやオーディションでは各キャラごとのイベントというのが発生しないので各キャラごとのイベントを見るには営業を選ばないといけません。
そしてその営業イベントが各キャラ70〜80個あるので普通にプレイしているとイベントをほとんど見ることが出来ません。
そしてイベントの中にもランク限定のイベントやらランクによって異なるエンディングやらと非常に範囲が広いので普通にプレイすると
大半のイベントを見逃すことになります。
先に述べたとおり、このゲームはテンポが異常に悪いので何週もプレイするのは苦行に近いものがあります。
せっかく魅力的なキャラクターとキャッキャウフフできるイベントを用意してもほとんど見れないのでは意味がありません。
せめてイベントの半分くらいをレッスン/オーディション後に選べるようにするとかの救いがあれば…

そしてこれ以降はそこまで致命的ではないのですが
・レッスンが大して面白くない、難易度が高い。
・レッスンはスタートボタンのチートが有効すぎる(ポーズ画面を活用することで難易度が劇的に下がる)
・オーディションも慣れれば作業的になってくる
・アイドルのコスチュームが能力値に影響してくるので好きな格好でテレビ出演させづらい(これは続編で解消)
・メールの文面に句読点が多すぎる
・リセット戦法が強い/リセット前提だとしたらロード周りが不便すぎる
などなど。

ちなみにこの作品で有名になったDLC販売方法、通称アイマス商法ですが自分はこれはアリだと思っています。
・オフライン用で
・ゲーム性に影響が無く
・買った人は満足できる
これほど優れたファンアイテムは無いと思います。
まずキャラ人気が無ければ成功し得ないなのでそう簡単に他社は追随できませんし。
この商法を最初に成功させたのはバレットウィッチな気もしますけど。(あれは無料で出したのが勿体無い…)

魅力的なキャラクター・楽曲・ダンスを用意し、スパイスとしてレッスンやオーディションなど
アクション性の高い部分も取り入れたなかなか野心あふれるゲーム…なのですが
テンポの悪さがすべてをダメにしてしまっています。
幸い、熱烈なキャラ人気のおかげか魅力的な要素の殆どは各種動画サイトにアップロードされていて
本編で見逃した部分もしっかりフォーローできるのですが、それなら最初から動画サイトだけ見てれば良くね?という事になるわけで…
動画サイトでこの作品を知った人は間違いなくこのテンポの悪さに衝撃を受けるはずです。
動画を見て自分もプレイしたくなった!って人はとりあえず1度プロデュースしてみれば満足できるのではないかと思います。
自力で一通り遊びつくす!というのは(時間的に)かなり険しい道になるのでオススメできません。

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