DRAGON AGE:ORIGINS

  公式サイト

タイトル画面 ジャンル:RPG(海外)
メーカー:EA(国内:スパイク)
ハード:XBOX360、PS3(PC版有り)
(ここではXBOX360版のプレイを元に記述します)
プレイ時間:およそ80時間
主観的評価:☆☆☆☆☆


「ドラゴンエイジ:オリジンズ」は、外国産ファンタジーRPGです。
ゲーム全体の雰囲気としては「オブリビオン」に近く、ゲームシステムとしては「FF11」や「ラグナロク」といったMMORPGに近い部分があります。
一人でプレイするMMORPGといった印象があります。
海外産RPGは自由度重視でその分ストーリーと戦闘バランスがやや適当という印象があるのですが、
このゲームでは自由度をある程度犠牲にして、ストーリーと戦闘バランスを強化した感じがあります。


シナリオ
世界観は非常に作りこまれており、洋ゲーに散見されるような「コーデックス」があります。
すなわち、ゲーム各所で世界観に関する説明をいろいろと拾うことになります。
全部あわせると相当な量です。文字読むのが大変。
ストーリーの根幹は王道で、仲間を集めて世界を救う感じです。
ただし全体的に悪い意味で人間臭いキャラクターが多く、何かしら後味の悪い結果が残ります。
たとえば誰かを救えばその分誰かが死ぬとか、権力争いに巻き込まれてどちらかを支持しなければいけないとか。
このことはゲームの一つの特徴であり、必ずしも悪いことではないのですが、あまり得意でないプレイヤーも多いかもしれません。
日本語版の説明書および付属ガイドでは、「話術」のスキルを上げることを強く推奨しています。
実際、このスキルを上げておけば後味の悪い展開をかなり避けることができます。
重要です。


キャラクターメイキング キャラクターメイキング
主人公となるキャラクターは、人間・エルフ・ドワーフの三種類から選ぶことになります。
珍しいことに、この世界観ではエルフは人間に迫害されています。
またクラスは戦士・魔道士・ローグの3つから選びます。
名前、性別、顔付きは自由にいじることができます。身長と体格は固定です。
このゲームの重要なポイントの一つなのですが、洋ゲーにしては珍しく、イケメン・美女を割と簡単に作ることができます。
オブリビオンやFallout 3ではどう頑張ってもなかなか日本人の感性にあうキャラクターは作れませんからね……。
また、登場キャラクターも割と美男美女が揃っています。
キャラクターの出自が6種類あり、その設定により序盤のストーリーが決まります。
数時間で終わる序盤のストーリー以降はどの出自でも大筋は一緒です。
出自は、人間貴族、ドワーフ平民、ドワーフ貴族、エルフ平民、エルフ遊牧民、魔道士の6つです。


戦闘
戦闘は上述のように、MMORPGに近いと思います。
通常は4人でパーティーを組んで戦闘を行います。
主人公に加えて、仲間になるキャラクターを3人選ぶことになります。
盾役・攻撃役・回復役など役割をきっちりわけて進める必要があります。
難易度はカジュアル・ノーマル・ハード・ナイトメアの4つがありますが、
ハード以降では十分に戦略を練らないと勝てない、やりごたえのあるバランスになっています。
これが他の、どうにもゴリ押しで勝ててしまう洋ゲーとの一つの差です。
基本的には戦士・魔道士・ローグを一人ずつ入れて、そこにもう一人任意で加える形になります。
難易度カジュアルであれば、好きなキャラクターを使って適当にプレイしていても大体どうにかなります。
4人ものキャラクターを操作する必要があるのですが、個別操作はもちろんできるものの、
すべてをいちいち操作するのはほぼ不可能です。
なので、メインで操作するキャラクター以外には「作戦」という簡易AIのようなものをつけることになります。
これは「FF12」と似たようなシステムだと思います。
設定は面倒なのですが、これが実際かなり重要であり、特にハードモード以降では設定のよしあしでかなり変わってきます。


戦闘 成長システム
レベルアップごとにステータス用のポイントを3、タレント用のポイントを1つ入手できるというシステムです。
戦士は筋力と丈夫さを中心に育て、魔道士は魔力と精神力をとにかく伸ばし、ローグは器用さと狡猾さを上げる……。
そこらへんは特にMMORPGっぽいです。
もちろんそれぞれの職業ごとにも何通りか育て方が考えられ、自分好みに伸ばしていくことができます。
レベルは通常シナリオ(DLC含まず)を終える間にせいぜい21、22レベルまでしか上がらないので、
タレントポイントは各キャラ20ポイント強が最大値ということになります。
このポイントではすべてのタレントを覚えることは全く不可能で、狙ったタレントに絞って取得していくことになります。
どのタレントを取っていくのか計画を立てるのも面白みの一つです。
特に魔法使いは魔法の種類が多く、どの系統を中心に覚えていくのかで大きく戦い方が異なります。
戦士・ローグも、「片手剣+盾」・「両手剣」・「二刀流」・「弓」と武器タイプを選ぶことになります。
また、クラスはそれぞれ4つのサブクラスを持っており、アンロック条件を満たせば2つまで選ぶことができます。


ボリューム
かなりやりごたえのあるゲームです。
このレビューを書く以前に2キャラ分クリアしたのですが、各プレイ38時間かかりました。
コーデックスなどを読み飛ばして難易度カジュアルで気軽にプレイするにしても30時間でしょう。
また、各メインクエストは2通りの結末があるので、2週までは新鮮な気持ちでプレイできます。
世界観が作りこまれているので、肌に合う人ならかなり入り込めると思います。
また、オブリビオンやFallout 3と違って戦闘システムが楽しいのも重要なポイントです。


スペル説明・習得画面 和訳について
外国産のゲームには和訳の問題が付いてまわります。
このゲームに関しては、全体的には、わかりにくい部分は少なく、およそ快適にプレイできると思います。
やや選択肢の意味がわかりにくい部分は見受けられますが……。
致命的な誤訳というほどのものはあまりなかったかと思います。
一部に、ゲームプレイングに疑問を持たせる誤訳があります。
たとえば「自然魔法」というのが火、氷、地面、雷の属性魔法を表しているのですが、
「自然ダメージ」というのはこの中では地面魔法によるダメージのみを表します。
これは原語では「primal spells」と「nature damage」なので明確に違うのですが、
両方とも「自然」と訳してしまったことによるわかりにくさです。
武器の追加効果の「精密連続射撃」は原語では「Rapid aim」であり、単に射撃が早くなるという意味です。
こういった細かい疑問はあるものの、全体的にはプレイに大きな問題はありません。
ストーリーも十分に把握することができます。
ただ、意図したものと違った展開に進みたくないのであれば、セーブを多用したほうがいいかも……。
選択肢もキャラクターもみんなひねくれているので。


DLCについて
日本語版には、DLCが6つ付属してきます。
単なる追加装備が1つ、通常シナリオ中にプレイできる追加クエストが3つ、外伝シナリオが2つです。
どれもクリアすれば強力な装備が入手できる結果になります。
また単なる追加装備以外には実績がついているので、このゲームの実績は合計で1300ほどあります。
あと、「Awakening」という追加DLCがパッケージ版で購入できます。
日本語版はまだ発売しておらず、2011年3月17日発売予定です。
こちらは3000〜4000円(現在アマゾンにて約3400円)です。
サブクラス・スペル・タレント・装備など追加、レベルキャップも増加などかなり大型の追加要素のようです。
……でもAwakeningを入れて一つのキャラで長々とプレイするよりは、何キャラもプレイしたほうが楽しい気も。


総評
面白いゲームです。
シナリオはやや暗いですが、キャラクターの成長システムや戦闘システムが楽しい。
ある程度のシナリオの自由度があるので、2週までは飽きることなくプレイできました。
攻略wikiを眺めながらキャラクターの成長方針を考えるだけでも面白いものです。
強敵との戦闘前にはちゃっかりオートセーブしてくれたりするので、負けても結構ストレスレスに再開できたり。
ロード時間もさほど長くなく、全体的になかなか配慮されたゲームではないかと思います。


XBOX360版PS3版

(記述:2011年2月25日)


レビューページに戻る
TOPに戻る