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ジャンル:クライマックス・アクション
メーカー:セガ
ハード:XBOX360、PS3
(ここではXBOX360版のプレイを元に記述します)
プレイ時間:EASY、NORMALクリア+α
主観的評価:☆☆☆☆
眼鏡でババア!
みんな大好きメガネのおねえさん!
俺が体験版をダウンロードする理由は、それで十分だった。
あれ?
体験版をやる前は「キャラ設定だけの出オチだろう」と思ってた。
しかし実際にプレイしてみるとこれが……なんとも……。
普通にデキのよいアクションゲームなのではないか?
某スタイリッシュアクションゲームの中の人
なんか似てると思ったら、某悪魔も泣き出すゲームと中の人が一緒です。
なので同様にスタイリッシュなのも頷けますね。
しかるべきハイクオリティです。
ストーリー
ストーリーなんて、あって無いようなものでしょう?
と思ってたら意外と重厚でしっかりしたストーリーがありました。
魔女、天使、悪魔と来てそのまんま、キリスト教系の神話が元ネタなストーリーです。
ただ、天使は敵で、主人公は魔女で仲間が悪魔です。
天使が敵、作中で頻繁に流れる「Fly me to the moon」、キリスト教ネタ……。
どことなく某人造人間アニメを彷彿としますが、まあほんの少しだけです。
序盤はコメディ路線が強いかのように思えば、後半はなかなかシリアス。
いい展開だと思います。
ちなみに、ストーリーの背景を説明するアイテムが各所に落ちています。
割とわかりやすい位置に置いてあるので、シナリオに置いてけぼりにされずに済みます。
キャラクター
魅力的です。言うまでもないです。
主人公ベヨネッタが眼鏡の魔女です。
これだけでお腹一杯です。
が、ライバル(?)のジャンヌや他のキャラもかなり惹かれる設定・デザインです。
ベヨネッタやジャンヌの言動いちいちスタイリッシュ。
ムービーでの彼女らの言動は、「しつこい!もっとやれ!」って感じです。
最初の数ステージをやってもらえば何を言ってるか伝わるかと思います。
アクション面
「クライマックス・アクション」の意味はよくわかりませんが、爽快感重視なのはプレイしてみれば一目瞭然です。
流れるようなコンボを叩き込み、相手の攻撃はバク転で避けたり弾いたり。
まあ、ともかく某スタイリッシュな感じがします。
難易度
難しめです。
僕はまずイージーで始めてクリアしましたが、これはかなりスムーズにクリアできます。
しかしノーマルの段階で既に難しい。回復アイテム多用。
ハードに至っては最初のステージで一回死にました。無念。
更にハードより上の難易度(∞クライマックス)が存在します。僕はまだプレイできていませんが、きっと大変でしょう。
ただ、難易度はベリーイージー〜∞クライマックスの5つが選べるわけですので、アクションゲームが苦手でも大丈夫です。
特にベリーイージーとイージーでは、ほぼボタン連打でクリアできるようになっています(後述)。
ただ、イージー以下で始めるとちょっと不都合な面もあります。
ノーマル以上でのみ出てくる要素がいくらかあるためです。
たとえばイージー以下では最初から体力・魔力が多く固定なのですが、ノーマル以上では初期値が低いものの、向上させるためのアイテムがステージ上に散らばっています。
つまり、イージープレイ時にステージをくまなく探したとしても、その後にノーマルをやるともう一度ステージをくまなく探さねばいけないのです。
この「イージーで始める」か「ノーマルで始める」かは悩みどころですが、個人的にはイージーで始めるのがよいかと思います。
いかんせんノーマル以降は難易度が高いですので、イージーで慣れてからでよいかなと。
やっぱり敵が弱いほうが爽快感は強いので、このゲームの”らしさ”がよりよく伝わるのではないかと思います。
武器、コンボ
武器は多数ありますが、1つの難易度でクリアするまでに入手可能なものは7種類。
ハンドガン、ショットガン、ロケットランチャー、日本刀、鞭、爪、スケートです。
パッケージやムービーのイメージから、ハンドガンがメインウェポンのように思ってしまいますが、ハンドガンの出番は意外と少ないです。
というか比較的序盤に入手できる日本刀の性能がよく、終盤まで日本刀ゲーです。
コンボは多数ありますが、このゲームの特徴は、どの武器でもほとんどコンボコマンドが同じことです。
これは悪いように捉えれば、武器ごとの特徴が薄いということにもなります。
が、どちらかというと、一度コンボを覚えてしまえばどんな武器でも戦えるという利点があり、この利点はかなり大きいように感じます。
いちいち武器ごとに特徴的なコンボコマンドを覚えなければならないとなると、使いやすいコンボ一つだけ覚えてそれだけでクリアしちゃったりしますからね。
(→参考リンク:使いやすいコンボ一つ、二つだけでクリアしてしまったゲームNINJA BLADE)
ちなみに、それぞれのコンボについて一言二言くらい言及しているコンボ集がゲーム中に見れるので、どういう使い方をするべきコンボなのかわかります。
ロード時間中にコンボ練習!
そして、更にその多数のコンボを練習する場所が提供されているというのが、このゲームの素晴らしい点の一つだと思います。
次のステージへ進む際などのロード時間中に、ベヨネッタを実際に操作することができ、更に画面の横にはコンボのコマンドが表示されるのです。
さらにさらに、そのコンボ練習中にセレクトボタンを押せば、ロード時間が終わっても練習を続けることが可能。
つまりわざわざメニュー画面から「トレーニングモード」などを選択する手間なく、時間のロスなくなんとなく新しいコンボを練習してみたりできるのです。
これは地味なところかもしれませんが、かなり重要だったように思います。
オートでコンボ
イージーモード及びベリーイージーモードでは、なんと、同じボタンを連打しているだけで多彩なコンボを自動で使い分けてくれます!
先ほど後述としたのはこのことです。
この機能により、アクションゲームが苦手でもベヨネッタの流れるようなアクションシーンを遊ぶことができます。
この機能はあるアイテムを装備することでオンになるので、いつでもオン/オフを切り替えられます。
なので、イージーモードをやりたいけど、コンボは自分で出したいな……という場合にも問題ありません。
ウィッチタイム
これは要するに、最近のアクションゲームで多く導入されているスローモーションのことです。
このゲームではスローモーションになるのは敵だけで、主人公は同じスピード(むしろ通常より速い)で動けます。
このウィッチタイムの主な発動条件は、「敵の攻撃をギリギリで避ける」、「敵の攻撃をギリギリで弾く(特定のアイテム装備中に限る)」。
ギリギリで敵の攻撃を避けてゆくこのスリリングさが、宣伝文句であるところの「絶頂感が、ブッ続く」の意味するものなのかと思われます。
実はこのゲームでは、大きなダメージの技を除けば、主人公の攻撃では敵の攻撃動作を止めることができず、ただただ攻撃しているとすぐ反撃を受けてしまいます。
しかし代わりにどんな攻撃中でも大体キャンセルして回避動作を取ることができるので、いつでも相手の攻撃を回避することができます。
更に、回避行動で中断されたコンボを再開するシステムもあります。
この「コンボを叩きこみつつ、敵の攻撃をギリギリで避け、更にコンボを叩き込んでいく」というのがこのゲームのリズム感であり、爽快感の大きな源となっています。
実際これは慣れるとかなり楽しいです。
ウィケッドウィープ
このゲームにおける大技は、ベヨネッタが魔女の力を解放して大きな手足などで攻撃する「ウィケッドウィープ」です。
この攻撃ならば相手の攻撃モーションも止められます。
魔女はこのウィケッドウィープを発動するために「髪の毛」を媒介とます。
また、魔女は普段から髪の毛を用いて自身の戦闘服を構成しています。
……ということで、このウィケッドウィープが発動すると、主人公ベヨネッタは脱ぎます。
そのまんまの意味です。露出が増えます。
といってももちろん所詮はコンシューマー用ゲームなので、肝心なところはちゃんと隠してくれていますが、ムービー時で召喚獣を呼ぶ時などはほぼ全裸です(ただし髪の毛がやっぱり肝心なところは隠す)。
この「お色気ゲームっぽさ」がこのゲームをなんとなくネタゲーっぽく思わせる要因の一つにも思われましたが、実際にやってみるとそこまで気になるものでもありません。
終盤にもなると相手の攻撃が激しくて、そんなのいちいち気にしていられないという面もありますが……。
強い攻撃をすると主人公が脱ぐ!とだけ言うと流石に酷いゲームのように思えますが、一応これだけの理由付けをしてもらえばなんとか……いや、ごまかしきれてないか……。
ただ実際、このウィケッドウィープを多用しないと敵のHPは全然削れないので、序盤はこのウィケッドウィープをとにかく早く出すコンボを覚えることが重要です。
例えばパンチ→キック→パンチや、パンチ→パンチ→ディレイ→キックなど。
巨大なボス
ボスは巨大です。かなりデカいです。
このスケールの大きさはこのゲームの持ち味の一つでしょう。
何をやるにしてもとにかく派手!です。
映像面
プレイ画面でも美麗、ムービーは更に美麗。
多少カメラの動かし方に違和感がある場面とかもありますが、世界観のせいもあってなかなか魅力的な構築物も多く、視覚的に大いに楽しめます。
ムービーはところどころに独特な演出がありますが、よく馴染んでいると思います。
そもそも主人公が美女なのでそういう面でも大いに楽しめるかと思います。
サウンド面
全体的にステージの進行、構成がよく練ってあり、場面によくあったBGMが使用されます。
一度クリアした後に見れるサウンドプレイモードを見てみると、なんだか妙に曲数が多いような……。
かなり雰囲気が出てるBGMで、個人的にはかなりイイと思います。
全体的な統一感も感じられます。
プレイ感覚について
全体的に、プレイヤーのことを結構考えてくれているように思います。
アクションシーンだけでなく、プレイ全体に爽快感があるのは嬉しいことです。
上述のロード時間中のコンボ練習があるせいか、ロード時間はほとんど気になりませんでした。
(ただしハードディスクに保存してプレイする場合、結構ハードディスク内容を食うので十分な空きが必要です)
ムービー
よく出来ているので、一週目では全て見ることに全く苦痛はないでしょう。
ただ当然、何度も同じステージをプレイしていると飛ばしたくなります。
ムービー中はポーズをかけられますし、更にポーズから飛ばすこともできます。
そして何より、Rトリガー+セレクトボタンで、ポーズ画面すら出さずにムービースキップができます!
これは何度も同じステージをプレイする場合には非常〜に便利な機能です。
ただ、このゲームにもあの”QTE”が存在し、QTEの絡むムービーはスキップ不能です。
QTE
ムービーにプレイアブル要素を組み込もうとするとやっぱり避けては通れないQTE。
クイックタイムイベント、QTEです。
ようするにムービー中に「Aボタンを押せ!」的なアイコンが出てくるってやつです。
このゲームでは2通りのQTEが存在します。
一つ、「ボタン連打系」のQTE。
これはベヨネッタが召喚獣を呼んだ時や、敵と鍔迫り合いする時などに出てきます。
なので割と予見しやすく、また失敗も特にありませんし、連打が苦手で問題となるシーンはあまりありません。
ボス戦での鍔迫り合いだと、連打数が足りないと押しきられてしまったりしますが……。
連打QTEが絡むムービーが飛ばせないことにちょっとしたストレスは感じますが、そういったシーンは基本的にベヨネッタの大技が炸裂する見せ場でもあるので、仕方ないかもしれません。
なので、このQTEに関してはさほど問題はないように思います。
もう一つ、「緊急回避系」のQTE。
これはムービーやボス戦なので、突如として「特定のボタンを押せ!」という指示が出てくるタイプ。
これは……正直いらないと思います。
入力受付時間が妙に短い上に、失敗すると即ゲームオーバーの場面も多々あります。
このゲームは別にゲームオーバーについて大したデメリットはないのですが、ボタンの入力一つで強制的にゲームオーバーになるのはやはり理不尽感が否めません。
せめて、もう少し表示時間と入力受付時間を延ばしてくれればよかったんですが……。
QTEのバランスの問題は、最近のムービー多用アクションゲームにおいては避けて通れないのかもしれません。
ステージ数
プロローグ、序章、第一章〜第十六章、終章の構成です。
難易度が5通りあることも考えると、なかなかのボリュームではないかと思います。
ちなみにセガのスペースハリアーといった古いゲームのパロディとなっているステージが2箇所あります。
……蛇足な気はしますが。
敵の種類
そこそこいます。
シナリオ上で新種の敵が出てくる際は毎回登場シーンが挿入され、なかなか楽しいです。
そしてそれぞれの敵についての設定集もゲーム中で見ることができます。
お楽しみ要素
発売前から多少話題になってましたが、「体操服」などといった着せ替えがノーマルモードクリアで解禁になります。
ネタ要素の強い体操服が主な注目を集めていましたが、他の衣装もなかなかクオリティが高いのではないかと思います。
多少、過激度の高い服装もありますが……。
やりこみ要素
さまざまな条件をクリアすることで、武器の追加などといった要素があるようです。
まだノーマルモードクリアまでしかやっていないので、僕は見ていないのですが……。
そもそも、全難易度をプレイするというだけでかなりのボリュームがあるので、そこそこ長く遊べるかと思います。
総評
あまり気合の入ってない色モノアクションゲームだと思ってたら、ガチで作りこんである本気アクションゲームだった。
どうもお色気ゲーやバカゲーとしてのイメージが先行していましたが、普通によくできているアクションゲームです。
やっぱりただアクションゲームといっても、デキの良し悪しって大きいなあ(NINJA BLADEを思い浮かべつつ)
シナリオ、ゲーム性、ムービー、サウンド、どれを取ってもかなりよくできてるゲームだと思います。
XBOX360版 | PS3版 |
(記述:2009年11月28日)
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