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Yamaha TSSシリーズと OHM(AudioComm) ASP-2070の比較

共に安価であり、入門機として最適なこれらの機種を比較してみました。
(現時点で購入可能なTSSシリーズは恐らくTSS-15だけだと思いますが自分はTSS-1を使用していたのでこれも比較に使用します)

対応システム
もっとも重要な点の一つ。
TSS-15が対応しているのはDTS、ドルビーデジタル、ドルビープロロジックII、AAC
ASP-2070が対応しているのはDTS、ドルビーデジタル、ドルビープロロジックIIとなっています。
差はAACのみ。
AACとは大雑把に言うと地上波デジタルやBS等に使われる形式であり、ゲームには直接関係ありません。
ただ、地上波デジタルを使用している、もしくは今後使用する予定があるのであればAAC対応は結構重要かも知れません。

サイズ
何はともあれ大きすぎて設置できないのでは話になりません。
アンプ(本体。全てのスピーカーを接続する)は
TSS-15:102(70)×260(250)×196mm(カッコ内はスタンド無し)
ASP-2070:430×280×48mm

サラウンドスピーカー(ウーファー以外のスピーカー)は
TSS-15:70×91×110mm(スタンド含む)
ASP-2070:100×93×140mm(センターのみ高さが170)

サブウーファーは
TSS-15:220×239×220mm
ASP-2070:199×307×329mm

と、ASP-2070は結構大きめのサイズになっています。
特にアンプとウーファーはTSS-1の後に導入したときに大きさの差で驚くぐらいです。
ウーファーはPCケースぐらいの体積があります。アンプは横置きで旧Xbox以上の幅&奥行き。
ただ、上にハードを積めばあまり気にならないかもしれませんが…
とにかく置く場所が無い、という場合には結構厳しいサイズかもしれません。

スピーカー接続方法
ASP-2070はスピーカーケーブルをスピーカーとアンプ間で繋ぐオーソドックスな接続方法。
TSS-15は多分スピーカーから伸びる専用ケーブルをアンプに差し込む方法。
頻繁にスピーカーを抜き差しするような環境ではTSS-15の方が楽ですがそれ以外では別にどっちでも大差なく。
ASP-2070の方がスピーカーを交換したりスピーカーケーブルを交換したりするような用途には向いていそうです。
ただ、アンプ自体がスピーカーを変えてまで使いまわすべき物じゃないと思いますが。

入力
TSS-15:アナログ1、光デジタル2、同軸1
ASP-2070:アナログ3、光デジタル1、同軸1、ビデオ2
なお、付属ケーブルは
TSS-15:光デジタル1、アナログ1
ASP-2070:アナログ1、同軸1、ビデオ1
となっています。
複数のゲーム機を接続する場合はTSS15ならそのまま2つまで接続できますがASP-2070の場合は繋ぎかえる必要があります。
また、ASP-2070は光デジタルケーブルが付属しないので別途に買う必要があります。
ASP-2070はアナログやらビデオ入力やらが結構付いてますがそんなに使わないような…
テレビだけなら1つで十分。

音質
自分の耳が悪いので&二つを同時に聞いたことが無い&ASP-2070は買いたてなので比較が出来ません。
ただ、(TSS-1)もASP-2070も共に安っぽい音は出ません。
ASP-2070はTSS-1から引き続いて使う分には音質は同等、もしくはそれ以上かな、という位でしょうか。
(※追記!
PS2のゲーム (プレイ時間100時間近く)で試してみたところASP-2070の方がTSS-1より大分音質は上っぽいです。
ただ、TSS-15とTSS-1の差が分からないのであまり意味が無いのですが…)
ゲーム用として使うなら共に十分な効果を出せると思います。
ただ、昔からTSSシリーズは音楽に向かないと言われています。

デザイン
性能には関係ない上にこれは個人の好き嫌いが全てだと思いますが…
TSS-15は全体がシルバーで部分的にオレンジっぽいストラプの模様が入っています。
アンプの前面は白。
スピーカーなどの小ささも手伝って「オーディオ」という単語から予想されるよりは「安っぽい」印象があるかもしれません。
TSS-1は渋い黒で締まってて良かったと個人的には思うのですが…(ちなみにTSS-10もシルバー。)

ASP-2070もシルバーですがこっちはスピーカーの大きさ、そしてなによりアンプ・サブウーファーの存在感により安っぽさはあまりありません。
アンプはDVDプレイヤーのようなサイズ&形ですしウーファーも大きくて貫禄がありあます。
TSS-15とASP-2070を横に並べて何も知らない人にどっちが高級品?と聞けば恐らくASPだといわれると思います。

ヘッドホン端子
5.1chシステムなのにヘッドホン端子?と思われるかもしれませんが、環境によっては使用頻度が高かったりするのであるに越したことがありません。
(例えばデスクトップシアターでPC・360を両方繋ぐ場合とか)
TSS-1、ASP-2070共にステレオミニプラグのイヤホン端子を1つ、アンプ正面に搭載しています。
TSS-1はノイズが無いですが音質は決して良くありません(スピーカー以上に分かりやすい)
ASP-2070は接続すると結構大きめな「サー」というノイズが載ってしまいますが、無理すれば使えなくも無いレベル…でしょうか。
TSS-1はサイレントシアター機能があったりもしますが、ヘッドホン端子に関してはTSS-1、ASP-2070共にレベルは低いと言わざるを得ません。
あまり期待しないほうが良いと思います。

耐久性
TSS-1は4年以上使いましたが結局1度も壊れず。現役です。
スピーカーはコレでもか、というぐらい落としましたがフタが割れたぐらいで使用に支障は無し。
包装せずに輸送したことも何度かありますが全く問題ありませんでした。
TSS-15がそのままの耐久性を持っているかは知りませんが恐らく丈夫なんじゃないでしょうか。
ASP-2070はあまり長く持った、という話を聞きませんが…
※追記
ASP-2070を買ってそろそろ1年になりますが、アンプのノイズが大きくなっているように思います。
やはり耐久性は余り無さそう。

その他
消費電力はTSS-15が40wでASP-2070が60w。
TSS-15はサイレントシアターやシネマDPSやナイトリスニングモードなどの独自のシステムを搭載。
ナイトリスニングは声が聞き取りやすいです。

問題点
ASP-2070にはいくつか問題点が。
・電源を切ると(主電源ではなくリモコンのOn/Offでも)音量がデフォルトに戻る
・電源が入っていると本体からノイズが出る
・現在の音量が分かりづらい(40段階ぐらい有るのですがランプが5つしかない)
特に上2つが致命的です。(3つ目は1つ目とセットだと…)
音量がデフォルトに戻るのですが戻った後の音量が地味に大きいのです。
取扱説明書には「電源を入れた後に突然大きな音を出さないように〜」と有りますが邪魔以外のなにものでもありません。
表示が曖昧なことも手伝って毎回音量をあわせるのも一手間。せめて音量が数値化されていれば毎回すぐにあわせられるのですが。
本体からのノイズは稼動時常に「サー…」という低い音が出っぱなしになります。
360と同時起動しているなら良いのですがDVD再生時などは結構気になりそうです。

総評
小型で安定した性能を持ち、地デジにも対応させたいならTSS-15。非常に無難な一品。
とにかく値段最優先で後先考えずに5.1chを導入させたいなら、あと若干見た目がいい方を選びたいならASP-2070、という感じでしょうか。
AAC以外では大きな性能差が無い両機ですがやはり信頼性ではTSS-15に軍配が上がります。
ただ、値段差もあるわけですから一概にどちらが良いとは言いかねます。
ASP-2070はアマゾンで7980円〜9980円(稀に1万超え)、TSS-15は電気屋などで最近は2万円を切っているので大体の値段差は1万円ぐらいでしょうか。
どちらもゲーム用としては十分な性能を持つので財布の都合と今後の買い替えプランと相談して導入するのが良さそうです。
※追記
ASP-2070は耐久性等いくつかの重大な問題点も抱えています。
音質のみなら非常に優れたコストパフォーマンスを持ちますが、無難な機種とは言えません。
どちらかと言うと初心者向けではなく、ある程度覚悟のできた人向けなのかもしれません。
とりあえず一台ホームシアターが欲しい、という場合は無難なTSS-15をオススメしておきます。

参考リンク
YAMAHA TSS-15
製品情報
YAMAHA シネマステーション ミニ ホームシアターサウンドシステム TSS-15(W)(AMAZON)

OHM ASP-2070
OHM 5.1chホームシアターシステム ASP-2070(AMAZON)

ELECOM AV-H210 光デジタルケーブル(AMAZON)
ELECOM AV-H220 光デジタルケーブル(AMAZON)
ELECOM AV-H230 光デジタルケーブル(AMAZON)
光デジタルケーブル。上から順に1、2、3メートル。
ASP-2070には光デジタルケーブルが付いて来ないので最低1本必要になります。
長すぎても邪魔なので適度な長さにしておくのが良いかと。
過去の経験だと1mだと頻繁に複数の機材で接続変えるときに不便でした。固定なら不便しないとは思いますが。

AT-SL37 OPT 光デジタルセレクター(AMAZON)